私が軍国少女を生きた時代

 徳島県退職女性教職員の会は、今年,日中戦争や太平洋戦争を体験した元女性教員の証言をまとめた「私が軍国少女を生きた時代」(B5判、128ページ)を出版しました。戦争を経験した世代が高齢化しており、戦争一色だった学校の状況を現役の教員に知ってもらおうと出版を企画したものです。

 84~92歳の10人が、国民小学校や高等女学校時代に体験した教育内容を中心に掲載。戦争が始まると、教科書は戦争を賛美する文章や戦闘機の挿絵が増え、授業で学ぶ歌も軍歌に変わりました。修学旅行がなくなり、出兵の見送りや戦死者の出迎えが学校行事となったことなどをつづっています。

 徳島新聞に記事で紹介された翌日から多くの問い合わせ申し込みがありました。退職女性教職員の会(退女教)は、事務局が徳島県教組内にあります。朝から組合の電話が、かつてないほどに鳴りました。電話対応をしている間に次の電話のキャッチフォンが入るという状況でした。キャッチフォンの機能はあるものの、いかんせんほとんど使ったことはないので、うまく対応できませんでした。電話をかけてきてくれたのは、現役の教員ではなく,証言者と同年代の方がほとんどでした。自分も同じような経験をしたので、ぜひ読んでみたいと言う声をたくさん聞きました。さらに本を読んだ後で、「当時、教員をしていた自分の父親のことを詳しく書いてくれていたので、書いてくれた方とぜひ話がしたい」などという電話も頂きました。

 その後,県内の小中学校の人権教育担当宛てに案内をしてからは,学校からの申し込みも増えました。おかげで当初の500部は完売し増刷しました。ぜひとも学校での平和教育実践に役立ててほしいものです。お申し込みは徳島県退職女性教職員の会(徳島県教組内)まで。  ℡088-633-2929