運動会と東京五輪 どっちが?

 緊急事態宣言が,北海道,東京都,愛知県,京都府,大阪府,兵庫県,岡山県,広島県,福岡県に発出されています。9都道府県です。感染者の9割が変異株に取って代わり,以前にも増して危険な状況は続いています。

 西日本新聞(5月14日付)が、緊急事態宣言下の福岡で、運動会の中止や延期が相次いでいると報じています。福岡市内の小学校で、校長先生が「楽しみにしていた運動会は中止することにしました」と校内放送で告げると、子どもたちから悲鳴が上がり、「寂しすぎる」と泣きだす子もいたという。40代の女性教諭は、「なぜ東京五輪はできて運動会はできないのか」と憤ったそうです。本当にその通りです。安全・安心を保つことができないから運動会を中止しているのに,なぜ東京五輪は中止にしますと言えないのでしょう。菅首相はこの教諭や子どもたちに、その違いを分かりやすく明確に説明できるのでしょうか。

 東京五輪開催については、楽天の三木谷浩史会長兼社社長が米CNNのインタビューに「私は東京五輪の今年開催に反対です。世界中から人が来る。正直言って自殺行為だと思う。新国立競技場はワクチン接種会場にするべきだ」と話し,17日(2021年5月)の「モーニングショー」が取り上げました。ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長も米CNBCに「日本だけでなく多くの国々が五輪が開催されることを大変懸念しており、選手を派遣してくれるかわからない」と話しています。世論調査でも国民の60%近くが開催するべきでないと考えています。

 小学校区という狭い範囲で,保護者の見学も限定的という運動会ですら開かれないのに,世界中から集まって安全安心に開催できると言える要素はないと思います。