県教研を開催しました

 10月24日(土)に第68回県教研を開催しました。今年度は2部制の開催でした。第1部はレポート発表でした。4本のレポートのうち3本は新型コロナ感染症に関わる内容でした。今年はいたるところで新型コロナウィルスの影響が出ましたが,教研のレポートにもその影響はありました。

 第2部は森口健司さん(松茂中分会)による人権教育講座でした。森口さんの執筆された部落差別をテーマとした道徳の教材「峠」「スダチの苗木」が生まれるまでの長い闘いの取組について熱く語っていただきました。13人の参加者が耳を傾けました。森口さんの生き様に参加者の心も熱くなりました。この講座については続編を持ちたいと思っています。今回参加できなかった皆さんも次回はぜひご参加ください。今回の参加者の感想です。

 森口先生をはじめたくさんの方の熱い想いの込められた「峠」が完成するまでのお話や、先生の授業で自分の想いを語り合う子どもたちの姿を肌で感じることができました。子どもたちが安心して心の底を語り合える、そんな授業をしたいという気持ちが湧いてきました。ありがとうございました。(中学校教員)

 部落差別、結婚差別というものには、正直ピンときていなかったというか、学習した記憶も薄れており、恥ずかしながら本当に他人事だったのだなという自分に気付きました。学級担任になり、道徳や人権の授業をする上で、生徒と真剣に向き合って、生徒たちが本音で語り合う授業を模索しないといけない責任があるのだと実感さされました。自分がまずもっと熱くならなければ、何も伝わらずに終わってしまうこと、授業のやり方次第で生徒は明らかに変わること、手に取るようにわかった講座でした。他の先生方ともまた機会があれば、授業の実践方法など、手立てを話し合いたいです。ありがとうございました。(中学校教員)


 森口先生のスダチの苗木、峠の講演を聞き、先生自身がふるさとを離れたいと思うほどの辛さを抱えていたこと。しかし、大人になり、離れていたはずの徳島に帰ってきて、このままではいけないと人権学習に取り組み始める辺りに、凄い強い意思を感じました。森口先生のように強い意思を持った教員になれるように、これからも頑張りたいなと思いました。お忙しい中、大変貴重なお話をありがとうございました。(中学校教員)

 森口さんや板野中学校の生徒たち、部落の人たちの思いや願いがあって今の世の中があるのだと実感しました。部落差別を忘れさせないためにも、僕たちが森口さんたちの思いや願いを引き継ぎ、伝えていけたらと思っています。(小学校教員)

 今回の講座を受けて、人権教育はどう関心のない生徒に対して『ひとごと』から『わがこと』として考えさせることができるかが重要だと気づくことができました。そのためには,普段から生徒との信頼関係を築き、教師自身が自分を解放して本音で生徒と語り合えるような教育活動を行っていくことが重要だと感じました。(高校教員)

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 「同和教育が学校教育の中心課題である」という共通認識のもとで,教育が進められていた時代から,人権教育の中の一部という位置づけになり,部落問題について職員室で熱く語られることも少なくなっています。とはいえ部落差別が解消したわけではありません。若い世代にとっては学ぶ機会も少なくなっているのは事実です。そうした中で森口さんの今回の講座が貴重な学びの場にできたと考えています。今後もこうした機会を設けていきますので,今回参加できなかった皆さんもぜひ次回はご参加ください。
 なお,参加者の中で希望された方には森口先生の「峠」「スダチの苗木」の音声教材を収録したCDをお渡ししました。組合員の皆様でご希望の方がおられましたら組合までお知らせください。お届けいたします。