「コロナ」じゃなく「コロナ対策」に振り回された母親たち

 ある週刊の機関誌に掲載されていた文章です。働くお母さんの気持ちがよく分かる文です。読んでみてください。

プチパニック
 全国の子どもたちとお母さんたちがコロナ対策に振り回されたなぁと思う。「コロナウイルス」に振り回されたんじゃない。「コロナ対策」に振り回された。いや、まだ過去形ではない。振り回され続けている感じがする。
 いきなり学校からもメール連絡で、なんの前触れもなく「来週から一斉臨時休校にします!」という連絡が来た。しかもメールをよく読み見直したら、なぜか「臨時”休業”」という漢字を使っていて、私はどうでもいいところに腹が立った。「休業って店ちゃうやろ!」という突っ込みを入れていた。(関西人だからか))私もプチパニックになっていたらしい。
 来週から子どもだけで留守番?ありえない。我が家は共働き家庭。職場もコロナ給付金の関係で仕事が増えてきていた。「働いている母親たちに一体どうしろというのだ」と思った。
 母に来てもらい私は出勤することにしたが、他のママ職員たちも不安な顔で出勤してきた。子どもだけで一日中家にいるのだから不安は当たり前だ。
 臨時休校が始まった頃、職場での子どもの臨時休校への対応策は全く無かった。仕事を休むなら有休を使えと言われた。いつまで休校が続くのか?先が見えないのに大事な有休を使えない。この先どうなるのか分からなかった。
 そのうちに、子どもの臨時休校を理由に“特別休暇”を使えることが決まった。決まってすぐは、ママ職員でその特別休暇を使って休んでいる人もいたが、臨時休校が延長に続く延長になり、自分の仕事は休んだ分だけ溜まっていくことに耐えきれず、休んでいたママ職員たちも子どもを家に置いて出勤するようになった。休んでも、自分の仕事は誰もやってくれないのだ。
 コロナで仕事量は増え、残業しなければならないような状況。そんな中で特別休暇、休み続けるような人はいなかった。

疲労感が漂う

 子どもだけで長い時間家で留守番することに対する不安も、慣れていくと「大丈夫だな」に変わっていく。子どもだけでいる。一日中動画を見続けている。勝手にSNSで知らない人に繋がる。子どもだけで出かける。そんな異常な状態が続いて、問題が起こらないはずがない。実際に健康被害や事件が起こっているのに状況は変わらなかった。
 私の職場も出勤規制はあったが、全体で何割削減、というだけだったので、実際には在宅できる部署はずっと在宅で、対外的な部署の人は毎日出勤して、残業をしている状態だった。
 私は出勤組だった。そんな毎日が続き、皆の顔には疲労感が漂うようになり過労で倒れる職員も出てきた。
 それに毎朝「市内で300人の感染を確認」というニュースを聞いてから、その場所に出勤するのはものすごく恐怖だった。子どもを置いて、怖い思いをしながら電車で通勤し、職場に行けば「コロナに感染したら窓口も閉めないといけなくなる。大騒ぎになるぞ。絶対に感染するな」と朝礼で口うるさくいわれた。「じゃあ在宅にさせてくれよ!」と思った。
 自分の健康と命を危険にさらしながら出勤してきているのに、感染したら社会からも「悪者」扱いされ行動を調べられるなんて・・・・。
 会社の対応も、大事なことが抜け落ちていて何かがおかしいし、ばかげていると思った。自分はいったい誰のために働いているのかと思った。コロナによって職場が本当に社員のことを大切にしているのか疑問に思った人は少なくないと思う。